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: 1 UNIXでの日本語入力の仕組み

cannaによる日本語入力

はじめに

日本語の文章を書く場合に、「日本語入力システム」が自分の意図した通りの変 換をしてくれないと、そのことに気がとられて文章の作成に集中することが出来 ないので、作業効率が大幅に落ちる。このことは、慣れ の問題も大きく、 ある人には非常に使い易いシステムも、別なシステムに慣れている人には使いづ らいことも多い。また、最近ではほとんどの「かな-漢字変換システム」が、学 習機構を備えているので、使い込めば変換効率は上がる。更に、「日本語入力シ ステム」は、自分の好みでカスタマイズすることが可能である。「UNIX で の日本語入力は使いづらい」という声を良く聞くが、これは、他のシステムに 慣れ た人が、全くカスタマイズせずに使った場合には、もっともな感 想だと思う。

筆者は、ATOK3、EG-Brigde、ことえり、SKK などの日本語入力を使ってきて、こ こ2年くらいは、もっぱら SKK を使っていたが、最近、canna に移行した。その 原因は、SKK を使っていると、どうも小指が痺れるような症状が現れ始めたため である (SKK の入力は SHIFTキーを多用する)。canna を使ってみて、まず、素 の状態の canna ではとても使えないというのが第1印象だった。ただ、UNIX の 世界で、それなりに長く使われているソフトウェアだけあって、種々の強化やカ スタマイズをすれば、かなり使えるものになる。この文書は、そのメモをまとめ たものである。

本文中で、

       	% ps uxw | grep kinput2
       	% grep XMODIF ~/.??*
        # /usr/local/etc/rc.d/canna.sh stop
のように、% や # で始まっている行は、UNIX でのシェルコマンド で、% は一般ユーザーでのコマンド、# は管理者(root)でのコマンドを表す。 % や # は、シェルのプロンプトを表しているので、入力する必要はない。 また、~/ という表記は、ユーザーの home directory を表し ている。

\と ¥は、同じに見えるかもしれない。これは、日本語 の全角文字で表すと、バックスラッシュ(\)と円マーク(¥)であるが、画面に表 示するフォントによっては同じに見えてしまう。また、キーボードによっては、ど ちらかしかないが、意味は同じである。

この文書のPDF版は、 こちら にあります。

間違い等を見つけたら、ohba@stex.phys.tohoku.ac.jp まで知らせて下さい。