注意:RF1500の場合、スペクトルの強度が、感度がLOWでバンドパスを 最も狭くした場合でも飽和したときは、発光側にNDフィルター (30%と5%透過の2種類を準備してある)を入れて、光量を落とす。
注意:励起波長を短波長(高エネルギー)に設定した場合には、その近 傍で発光する可能性もあるので、発光波長範囲は、その波長付近から取る ように、毎回、変更すること。
温度を変えると溶媒の粘性だけでなく、蛍光寿命も変化する。本実験装置 (定常光の測定)では、蛍光寿命を直接に測定するのは不可能であるが、寿命 が一成分(緩和が単純な指数関数)であれば、全蛍光強度の測定値から次の式 によって、温度による蛍光寿命の変化を算出できる。
次に、蛍光異方性のミクロ粘性との関係にもとづいて、グリセリン溶液 について、変形ペラン・ウェーバーのプロットをしてみる。粘性の値は、参考 文献2を参照する。τの値として文献値を用いれば、ペリレンの回転分子体積 が定まる。計算の際、数値だけを計算するようなことをせず、必ず単位も式の 中に入れて計算すること。これにより、Vが体積の次元になっていることを確 認せよ。ペリレンの比重を1.35と仮定して、算出した分子体積と比較してみる。 次に、脂質リポソームの蛍光異方性の値を温度に対してプロットする。 また、DPPCの相転移温度を文献の値と比較してみる。余裕があれば、グリセ リンの結果から外挿して、縦軸の蛍光異方性の値を粘性に変換してみると、脂質二分 子膜の炭化水素鎖の部分がどの程度のミクロ粘性を持っているのかを、一般的 な溶媒の粘性などと比較して考えてみることができる。
すべての実験が終了したら、作成した水溶液、エタノール溶液は棄て
て、ガラス器具などは、洗浄しておくこと。