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: 参考文献 : 問題 : 問題1

問題2

\includegraphics[width=15cm,clip]{problem2.eps}
分子IIは、Indole部分(窒素を含む5員環の部分)が発光し、分子IIIの Ketone部分(C=O)の部分がその発光に対応する吸収をもっているため、蛍光 エネルギー移動のIIはドナー、IIIはアクセプターとして振る舞う。図22は、メ タノールとヘプタン中で、IIの蛍光スペクトルおよびIIIの励起スペクトルを 測定したもので、溶媒に依存して、スペクトルの重なり($ J$)が変化するこ とがわかる。分子Iは、分子内にドナーとアクセプターをもち、分子内で蛍光 エネルギー移動をする分子である。分子I,IIの蛍光寿命(それぞれ$ \tau_I$$ \tau_{II}$)と、IIの蛍光スペクトルとIIIの励起スペクトルの重なり($ J$)を 各種溶媒中で測定したのが次の表である。この表から、共鳴エネルギー移動速 度$ k_T$$ J$に比例することを示せ。

図 22: ドナー(II)の発光スペクトルとアクセプター(III)の励起スペクトルの重なり。 溶媒によってスペクトルの重なりが変化する(左はメタノール、右はヘプタン)。
\includegraphics[width=10cm,clip]{problem3.eps}

溶媒 $ \tau_I(nsec)$ $ \tau_{II}(nsec)$ $ J$( $ cm^6/mmole\times 10^{19}$)
Methanol 5.3 5.6 1.5
Ethanol 5.6 6.5 3.0
Dioxane 3.6 5.4 13.0
Ethyl acetate 3.3 4.7 12.8
Ethyl ether 2.1 4.5 30.0
Heptane 1.1 2.8 60.3