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: グローバルアドレスとプライベートアドレス : ネットワークの基礎 : ネットワークのハードウェアとTCP/IP   目次


IPアドレスとサブネット

IP アドレスは 32ビットの数値ですが、普通は、8ビット毎に区切って、 対応する十進数(0〜255)をドットで区切った形で表現されます(例: 130.34.11.111)16。IP アドレスは、世界中の計算機を一意に決めないといけない ので、勝手に IP アドレスを付けることはできません。東北大学では、現在、 130.34.0.0 から 130.34.255.255 の領域が割り当てられています。この領域を 表す時に 130.34.0.0/255.255.0.0 とか、130.34.0.0/16 という表記を用いる場 合があります。255.255.0.0 の部分は、サブネットマスク と呼ばれ、 IPアドレスの上位の共通する部分のビットを 1 で、下位の個々の計算機で異な る部分を 0 で表すやり方です。 /16 と表した場合には、上位からビットが 1 になって いる個数を表します。いくつかのネットワークアドレス範囲の表示方法の例を 表1 に示します。


表 1: ネットワーク範囲の表示方法とプライベートアドレス
アドレス範囲 表記法 1 表記法 2
130.34.0.0 〜 130.34.255.255 130.34.0.0/255.255.0.0 130.34.0.0/16
130.34.122.0 〜 130.34.122.255 130.34.122.0/255.255.255.0 130.34.122.0/24
130.34.122.0 〜 130.34.122.127 130.34.122.0/255.255.255.128 130.34.122.0/25
130.34.122.128 〜 130.34.122.191 130.34.122.128/255.255.255.192 130.34.122.128/26
192.168.0.0 〜 192.168.255.255 192.168.0.0/255.255.0.0 192.168.0.0/16
172.16.0.0 〜 172.31.255.255 172.16.0.0/255.240.0.0 172.16.0.0/12
10.0.0.0 〜 10.255.255.255 10.0.0.0/255.0.0.0 10.0.0.0/8

ある IPアドレスの範囲を指定する方法として、サブネットマスクの表記法を説 明しましたが、計算機をネットワークに接続すると、その計算機と直接に通信す ることが出来るひとつのネットワークの範囲が存在し、それをサブネッ トと呼びます。サブネットの範囲は、サブネットマスクの表記法で指定可能な 範囲で、したがって、連続した $ 2^{n}$ 個の IPアドレスの範囲です。たとえば、 123.45.67.0 〜 123.45.67.7 は、同じサブネットとして定義可能ですが、同じ 8 個分でも、123.45.67.1 〜 123.45.67.8 や 123.45.67.10 〜123.45.67.17 は、 サブネットマスクの表記ができないので、サブネットとしては定義できません。 ひとつのサブネットの大きさは、以上のルールを満たしていれば、任意の大きさ に設定可能ですが、ひとつの計算機のトラブルが同じサブネット内のすべての計 算機に影響を与える可能性があるので、あまり大きくサブネットを区切ることは 得策ではありません17。通常は、29ビット(8個分)から 24ビット(256個分)でサブ ネットを構成するのが普通です。異なるサブネットに属する計算機同士は、直接 の通信はできず、サブネット同士を結ぶ機器を経由して通信します。この様な機 器を、ルータ(router)またはゲートウェイ(gateway)と呼びます。ルータは、 異なるサブネットに属する 2個以上のIPアドレスを持っていて、ひとつのサブネッ トから到達したパケットを、必要であれば、異なるサブネットへ中継します。 ある計算機が、(例えば外国の)遠く離れた計算機と通信をする場合には、複数 のルータを経由して通信が行われます。