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グラフを LaTeX 文書に取り込む



[Q-1]
jpeg、gif、png、bmp、pdf 形式の画像ファイルを LaTeX 文書に挿入するには、 どうしたらいいですか。

[A-1]
LaTeX の文書に画像ファイルを挿入する場合は、jpeg や gif のような一般的な画像ファイルではなく、 おもに PostScript という仕組みによる EPS 形式のファイルを使用します。EPS ファイルは、プログラ ム言語で記述された画像ファイルです。この形式の利点は、どんなに拡大しても非常に美しい出力が得ら れることやテキストファイルですからサイズが小さいことです。

ページ全体の構成に支障が出ない場合は、PS ファイルでも LaTeX に取り込めます。多機能グラフィック ツール xv ソフトの出力形式には、 PostScriptps がありますので、xv を使用して jpeg、gif、pdf などの ファイルを PS ファイルに変換して下さい。その後、PS ファイルを LaTeX 文書に貼り付けて下さい。

  1. まず、多機能グラフィックツール xv を起動させます。
    > xv

  2. 起動後、起動画面をマウスでクリック(右)します。すると xv controls 画面が表示されます。load で入力するファイル名を指定し、その後 save で format から PostScript を 選択して下さい。保存ファイル名( 例 test.ps )の拡張子は、psを指定して下さい。

[Q-2]
gnuplot で描かせたグラフを LaTeX 文書に取り込むには、どうしたらいいですか。TeX 全体の 処理が分かりません。

[A-2]
gnuplot で描かせたグラフを LaTeX の文書に貼り込む場合は、eps 形式のファイルを 作成して下さい。EPS は、Encapsulated PostScript の略で、形式の主要な部分は PostScript と 共通ですが、EPS では 1ページを超えるような情報を扱うことができません。 そのため、文書などへ図形を挿入する場合は、PS ではなく、EPS がよく利用されます。 一般に拡張子として .eps を付けます。

TeX(テフ)は、高度な組み版システムで、科学論文、数式やレポートなどの作成に とても便利な道具です。手順としては、まずテキストファイルに文書を書き、それに 組み版命令を書き込みます。その後、コンパイル命令でファイルを出力画像に変換し、 その画像を画面で見たり印刷したりします。
  1. グラフを eps 形式で保存する。
    まず、gnuplotを起動します。gnuplot の出力を eps 形式で保存するには、次の ように指定します。但し、> はプロンプトを表し、計算機が使用者に対して、 入力を促すために表示するサインです。

     > gnuplot
     gnuplot> set terminal postscript eps
     gnuplot> set output "sin.eps"

    2行目が出力形式の指定、3行目が出力先のファイル名の指定です。ファイル名 は何でも構いませんが、eps 形式のファイルは最後を ".eps" にします。この後

    gnuplot> plot sin(x) with lines
     と実行すると sin(x) のグラフが "sin.eps" に保存されます。

    正しく EPS ファイルに出力されたかは、gv などで確認できます。「!」 は gnuplot のコマンドで、シェルコマンドを実行する機能を持つ。これで gnuplot から gv が実行されます。
     gnuplot> !gv sin.eps

  2. グラフの大きさを変更したいときは、
    gnuplot> set size 0.5, 0.5
    gnuplot> plot sin(x)

  3. グラフデータをファイルに保存した後、再び画面にグラフを描かせるときには
    gnuplot> set terminal x11
    を実行してから、plot を使ってください。

  4. 下記は、eps 形式で出力したグラフを LaTeX の文書中に取りいれる latex ソース ファイルの雛型です。ファイルを作成するときは、通常のテキストエディタ(emacs)を使い、 ファイル名の最後には、拡張子 .tex を付けます。ファイル名は、sample.tex にしてあります。

    \documentclass[a4j]{jarticle}
    \usepackage{graphicx}
    \title{実験}
    \author{宮城太郎}
    \date{2006年5月19日}

    \begin{document}
    \maketitle

    \section*{グラフをLatex文書に取り込む}
    \subsection*{手順:}
    \begin{enumerate}
    \item EPSは、Encapsulated PostScriptの略で、形式の主要な部分は PostScriptと共通ですが、EPSでは1ページを超えるような情報を扱うことが できません。
    \item グラフをeps形式で保存する。
    \item gnuplot> plot sin(x) with linesと実行すると sin(x) のグラフが "sin.eps" に保存されます。
    \item ポイントは、usepackage\{graphicx\}でgraphicxパッケージを指定する。
    \item includegraphics\{epsファイル\}を使ってどの画像を取り込むかを指定する。
    \end{enumerate}

    \section*{グラフの表示}
    \subsection*{sin}
    \begin{figure}[h]
    \begin{center}
    \includegraphics[width=7cm]{sin.eps}
    \caption{sinの変化}
    \end{center}
    \end{figure}
    \end{document}

  5. LaTeX 文書にグラフ( eps ファイル)を取り込むには、 \usepackage{graphicx} で graphicx パッケージを指定します。graphicx パッケージは、graphics パ ッケージを拡張したものです。

  6. \includegraphics{epsファイル} を使ってどの画像を取り込むかを指定 します。\includegraphicsコマンドには、図版の大きさを指定するオプションが 用意されていますので、図形を 5cm の高さで出力するには [height=5cm]、 50% の縮小率で取り込むには [scale=.5] とします。

  7. 後は、通常通り platex でコンパイルします。( .log .aux .dvi )の 3つの ファイルが新しくできます。xdvi で内容を確認したら、dvipsを使って ps に 変換して印刷します。xdvi は、dvi ファイルを x上で表示するソフトです。 dvips は、dvi ファイルを PostScript プリンタが扱える ps ファイルに 変換するソフトです。

    コンパイルでエラーが表示されて、処理が止まったとき は、最後のプロンプト? で h を入力すると、どんなエラーか簡単な説明が出力 されます。また x を入力すると、コマンドプロンプトに戻ります。 エラーの原因は、ほとんどコマンドの入力ミスですので、もう一度ファイルを 見直し、原因が分かったらエディタで修正し、再度コンパイルし直します。

    1. platex でコンパイルします。> は、プロンプトを表します。入力 する必要はありません。
      > platex sample

    2. プリンタで印刷する前にプレビューアで印刷内容を表示します。
      > xdvi sample

    3. dvipsを使って dvi ファイルを ps に変換します。
      > dvips sample.dvi > sample.ps

      出来上がったPostScript ファイルは、gv などのビューアでも確認できます。
      > gv sample.ps

    4. デフォルトのプリンタへ出力します。
      > lpr sample.ps